時代とともに家族のあり方も変わる
ドラマに関しては、一貫して「人とのつながり」をテーマにしてきました。長い間、盟友として一緒にドラマを作ってきた脚本家の橋田壽賀子さんも、同じ考えでした。
人とのつながりのなかでもとくに《家族》にこだわるのは、一人っ子で、親もわりと早く亡くなったからかもしれません。係累がいないから、家族というものに憧れがあるんです。
最近は殺しが出てくるなど殺伐とした内容のドラマも多いですが、ドラマを通して家族のつながりをもう一回、考え直してもらいたい。それが私の願いでもあります。
今の世の中、人間関係が希薄になってきているし、社会が殺伐としています。おまけに温暖化のせいか、空も大地もおかしなことになっている。でも、そういう時代だからこそ、心あるドラマを作らなくてはいけないと思うのです。
もちろん家族のありようも、時代とともに変わってきます。ですから昔のホームドラマのような内容をそのままやっても、今の人の心に響きません。やっぱり、みなさんが常日頃感じていることを描かないと……。そのためいつもアンテナは立てているつもりです。