酔っ払ったらできるのに
一般的な知識でもわかるように、ハグにはポジティブな心理的効果が高い。オキシトシンの分泌があり、ストレス軽減、安堵感も得られるとか。確かに異性、同性に関わらず“されると気持ちがいい”。若い頃はことあるごとにできていたし、編集者の現場でハードな撮影の終了時には、抱き合って「おつかれさま〜」のハグは恒例だった。
どこかパフォーマンスめいたところはあったけれど、気持ちが良い。きっと子どもがいたら毎日していたのだろうと妄想する。
今年の春、地元から中学2年生の姪っ子が田舎から遊びに来ていた。夜は私が「結婚したら使うから」と、先走って購入してしまったダブルベッドで、2人並んで寝る。
「明日さ〜、ディズニー(連れて行く前日)だね〜。楽しみ〜。ねーらーれーなーい!!」
そう言いながら、姪っ子が私に抱きついてきた。
「寝なきゃダメだよ(笑)」
体温の高い姪っ子を、ギュウギュウ抱きしめる。思い返すとこの瞬間、その後は確実にストレスが減っていた。脳内がすっきりしていた。いつの間にこんな気持ちを見失っていたのだろうか。
つい先日、取材で出かけた外資系企業のオフィスで、久々に会う女性がいた。はつらつとしていていつも笑顔でいる彼女と会うなり、嬉しくなって思わず声を上げた。
「きゃ〜、ミチさん! お久しぶりです〜!」
彼女と自然に抱き合っている自分がいた。この日は帰宅後も少し気持ちが軽かった。なんと今まで寂しい独身生活だったのかと思うけれど、人に触れるとはなんとセラピー効果が高いのか。と、こんな文章を書いているとおかしなセミナーに誘われそうだけど、ハグは良いものだと確信。