「おっ!ありがた山だ!」
対して笑顔を見せた蔦重。「歳旦狂歌集」を刊行することで、すでに言霊を通じてコメの値を下げるたくらみをしていたことを明かします。
意知がアイデアに感服したことを伝えると、そうでもしなければ、もはや株仲間同様の地本問屋の中を生き抜けなかった、と語った蔦重。
続けて「あのころ『仲間』なんてもんぶっ潰れりゃいいのに、って思ってました。そうすりゃ俺は本を勝手に売れんのにって…」と伝えます。
すると、その言葉を聞いた意知は表情を一変。
蔦重がまだ話している途中にもかかわらず「恩に着るぞ! 蔦重! この礼はそのうち!」と、勢いよく立ち上がります。
そして店を出る直前、思い出したかのように「おっ!ありがた山だ!」と伝え、蔦重の元を走り去っていくのでした。