実はとても希少なタコ墨
また、イカとタコで墨を溜める場所「墨袋」の場所が異なるのも理由に挙げられます。イカの墨袋は細長いスジのような形で内臓に引っ付いているため、内臓を引き抜いた際に簡単に発見可能。しかし、タコはそうはいきません。
タコの墨袋は体の奥、肝臓にめり込むように引っ付いているため、袋だけを取り除くのは一苦労。破かずに取り出すのが非常に難しいのです。さらに、タコは水揚げされる際にすでに墨を吐いてしまっていることも多く、そもそも墨袋に墨が残っていないこともあります。
取り出しにくいことに加えて、取れる量が少ないというのもタコ墨が料理に向かない理由の1つ。1杯のタコからはイカのおよそ10分の1程度しか墨が取れないため、食べられるだけの量を集めるのには手間がかかります。そのためイカ墨と同じように料理に使うことはできても、タコ墨を使うとイカ墨以上にコストがかさんでしまうといったデメリットが。
実はどちらも美味しい「イカ墨」と「タコ墨」。タコ墨は滅多にお目にかかれないため、もし出会うことがあればぜひ試してみたいですね。