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きょうだい間のトラブルは、根が深い。親が差をつけて接してきたために不仲となる例もあれば、大人になってから配偶者や相続が原因で揉める例もある。関係を断ち切った当事者に、決断までの苦悩と、いまの思いを聞いた。アヤさん(仮名)の場合、義理の妹との関係に悩んでいてーー(取材・文=上田恵子)

帰国すると、義妹から何十件もの留守電が

結婚以来、夫とその妹の確執に振り回されてきたと嘆くのは、商社マンの夫を持つアヤさん(46歳)だ。

「義父母は昔から、出来のいい夫にばかり目をかけていたそうです。その反動なのか、義妹は非常にひがみっぽく、わがままな性格。夫や義父母も手を焼いている様子でした」

結婚当時、アヤさん夫婦は福岡県に、義妹は結婚して千葉県に住み、都内の実家には義父母だけが暮らしていた。ある日、海外旅行からアヤさん夫婦が帰国すると、義妹から何十件もの留守電が。そこには「親の具合が悪い。なんとかして」というメッセージが吹き込まれていたという。

「義母が末期がんだとわかり、義父も心臓に疾患を抱えた状態でした。夫と空港から実家に飛んで行くと、そこには痛みに苦しむ義母と、起き上がることもできずにベッドの上でおもらしをする義父の姿が。急いで救急車を呼び、2人を病院に搬送しました。夫は義妹に『近くに住んでいるお前が病院に連れて行ってくれたらよかったじゃないか』と激怒しましたが、義妹は言い訳を繰り返すばかり。結局、義母の緩和ケア病棟を探すなど、以降は夫と私とで事を進めました」

ところが問題はここから。義母の転院も無事に済んだある日、義妹が義母名義の銀行の通帳と印鑑を持って入院先にやって来たのだ。

「それらを義母の枕元に広げ、『この通帳の印鑑ってこれでいいの? 今聞いておかないとねー』と確認を始めるじゃないですか。息も絶え絶えの人にそんなことをするなんて。もう呆れるやら義母が気の毒やら」