夫が実家の資産を確認したら…

それからほどなく、義母は息を引き取った。が、その時の義妹の態度がまた最悪だった。悲しむアヤさんに向かって、「あんたは血がつながってないんだから悲しくないでしょ！」と大声をあげたのだ。

「頭がおかしいですよね（笑）。でもその頃には夫がバンコクに転勤になることが決まっていたし、今だけ我慢してくれ、と夫も言うので堪えました」

海外での暮らしは平和だった。しかし3年後に帰国すると、またもや義妹の悪事が発覚する。

「義父の入院が長引いていたこともあって夫が実家の資産を確認したら、なんと2000万円近く目減りしていたんです。明らかに義妹の使い込みですが、問い詰めても都合が悪くなると泣き出すため、話になりません。夫は『今後、妹との一切の連絡は弁護士を通して行う』との措置を取り、絶縁を決めました」

しかし義妹の暴走は止まらない。義父の枕元で遺言の書き方を記した本を読み、義父に遺言書を書かせて実家の名義変更を迫るなど、その後もやりたい放題だったという。

「しばらくして認知症の症状が出た義父は、介護施設に入所することに。もちろん義妹が、それら面倒な手続きをするわけはありません。当時、私たちは夫の次の赴任地であるドバイに住んでいましたが、忙しい夫に代わって私がドバイと東京を8往復し、すべてを済ませたのです」

義父は5年前に施設で亡くなった。義妹とは義父の一周忌で会ったのが最後。アヤさん夫婦は日本に帰国しているが、「妹とは二度と会わない」と夫が決めたため、住所は知らせていない。

「子ども同士は同い年だし、このまま絶縁していていいのかな、と思ったこともあります。でも、会いたくなれば子どもたちで勝手に会えばいい。私は夫の決断を尊重しようと思います」

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