事あるごとに私を突き放す母
母に「もううちの人間じゃない」と言われ続け、私は自分の居場所を実家から切り離し、心の中で何度も諦めを積み重ねてきました。だからこそ今は、自分の家庭を大事にして生きていこうと必死に前を向いてきたのです。
それなのに――今さら兄がいないからと、都合よく私を「家族」として頼ってくる母に、胸の奥で言いようのない戸惑いと苛立ちが渦巻いていました。あのとき本当に欲しかったのは、今ではなく、孤独に押しつぶされそうだったあの瞬間の温もりだったのに。
私はただ、心の奥で静かにこう思ったのです。――「もう私は、あの家の娘ではないのだ」と。
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