釣書のこと覚えてますか?
偶然にも、カホさんも俺と同じ理由でお見合いに来ていたとわかって、会話は思いのほか弾みました。カホさんは仕事に前向きで、とても魅力的な人です。なのに俺の心の中には、「付き合ってみたい」という気持ちが湧いてこなかった。
そのとき、俺はようやく腑に落ちました。俺は恋愛や結婚に、たぶん本気で興味がない。……そう思った矢先でした。
母が元恋人であるサヤカ宛てに、縁談相手を紹介する「釣書」を送っていたと聞き、一気に頭に血がのぼりました。そのせいで最後のほうの会話は、ほとんど覚えていません。
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