新しい兵器と揺れる秩序

「欧米諸国と協力して『安全の保証』を得ながら、ロシアの再侵攻を防ぐ。将来に禍根を残さない戦争の終わらせ方をウクライナの人たちは望んでいるのではないか」=兵頭慎治氏

「米国が中心となり、欧州や日本とともにロシアに改めて圧力をかける。いたずらに長引かせても利益のないことを身をもって理解させる方向に力を結集するべきだ」=松田邦紀氏

飯塚番組は、前線の軍事的な分析も積極的に取り上げてきました。侵略当初は地上戦で、「竜の歯」と呼ばれる戦車を妨害する障害物を置いたり、地雷を埋めたりしていました。現在はドローンによる空中戦の比重が高まっています。ウクライナの戦場は、新しい兵器や戦術を試す「実験場」になっています。ウクライナは高いドローン技術を持つ国になりました。ロシアも新型ミサイルを発射したり、北朝鮮の兵士を実戦に参加させたりしました。マニアックですが、「軍事のリアル」を伝える必要があると考えて、ゲストの専門家と一緒に考えました。

ウクライナの侵攻当初と現在の戦術©️日本テレビ
ウクライナの侵攻当初と現在の戦術©️日本テレビ

伊藤プーチン氏は人命を軽視するような作戦を進めており、ロシア側も多くの死傷者を出しています。侵略に終わりが見えないなか、1日目のゲスト、松田邦紀・前駐ウクライナ大使と兵頭慎治・防衛研究所研究幹事は米国の役割を指摘されました。

ウクライナ軍、ロシア軍それぞれの戦死者数©️日本テレビ
ウクライナ軍、ロシア軍それぞれの戦死者数©️日本テレビ

飯塚残念なことですが、ウクライナも欧州もトランプ大統領に翻弄されています。プーチン氏が最初に国際秩序を揺さぶり、トランプ氏がさらに拍車をかける形になっています。ただ、ここまで長期化している一因は、侵略開始当時のバイデン大統領がウクライナへの軍事支援に及び腰だったことがあると思います。米国の影響力の低下と迷走ぶりは、今後の世界秩序を一層揺るがしていくでしょう。トランプ氏はイランへの軍事作戦に踏み切りました。ウクライナの現実に寄り添い、世界秩序の行方にも注意を払いながら、番組はこれからも伝え続けます。

解説者のプロフィール

飯塚恵子/いいづか・けいこ
読売新聞編集委員

東京都出身。上智大学外国語学部英語学科卒業。1987年読売新聞社入社。 政治部次長、 論説委員、アメリカ総局長、国際部長などを経て現職。

 

伊藤俊行 読売新聞編集委員

伊藤俊行/いとう・としゆき
読売新聞編集委員

1964年生まれ。東京都出身。早稲田大学第一文学部卒業。1988年読売新聞社入社。ワシントン特派員、国際部長、政治部長などを経て現職。

 
 

提供:読売新聞