美智子さまが見せてくださる「女性としてありたい姿」
私たち「昭和9年組」は終戦の年に10、11歳。まだ子どもではありましたが、親たちの苦労を身近に感じ、空襲などの恐ろしい体験を経て、生きる強さを身につけた世代だと思います。美智子さまが、お若いときから宮中での慣れない生活やお忙しいご公務にも、つらい顔ひとつお見せにならない強さは、あの時代を生き抜いたからこそ培われたものではないでしょうか。
被災地へのお見舞いやさまざまな施設への慰問などで、美智子さまが傷ついた人や弱い立場の皆さんに示される慈しみと優しさ。これも、戦中と戦後の苦しい時代に育まれた、人の気持ちに寄り添うお心のあらわれだと思うのです。
長年、事件現場で取材を続けて来た私も、普段から優しさを忘れないように努めています。凶暴な犯罪の背景にはさまざまな事情がある。自分より相手の気持ちを考えること、思いやりがもっと世の中には必要なのではと思うのです。
いくつになられても「女性ならこうありたい」という姿を見せてくださる美智子さま。永遠に私たちの目標です。