「夫は言葉には出さないけど、次の未来を描いていて、本当は望んでいたのかもしれない。でも私に余裕がなくて気づいてもあげられなかった」(平野ノラさん/撮影:初沢亜利)

とりあえず1年間頑張ってみよう

でも、散歩の途中で2人で神社にお参りした際、彼が小さい声で「子どもと3人の健康な家庭が築けますように」とお願いしているのを聞いてしまったんです。

夫は普通の会社員で、2017年に結婚しました。彼は普段そういうことを言わない人なので、「えっ、子どもって言った!?」と驚きながらも、「そうかぁ」と。

夫は言葉には出さないけど、次の未来を描いていて、本当は望んでいたのかもしれない。でも私に余裕がなくて気づいてもあげられなかったし、日々仕事に追われて描いていなかったんだ——。そう気づいた瞬間、「あぁ、もう大丈夫だ! 子どもを持つ準備は出来ている!」と初めて思えたんですよ。

夫も「すごくいいと思うよ」と賛成してくれたので、話し合った結果、とりあえず1年間頑張ってみようということになりました。授かりものだし結果が出なかったら別の道を考えればいい。子どもがいない夫婦2人だけの生活だってアリですしね。いずれにしても後悔だけはしたくないから、やれることはやっておこうという感じでした。