「朝から晩まで図鑑を見ていて、虫の名前を学名でも言える子が、虫を触れないんですよ」(奥本さん)

虫が食べたものによってその虫の味が決まる

重松 幼虫って、いわゆるイモムシやケムシですよね。

井上 はい。ミールワームとか、すごくおいしいですよ。ゴミムシダマシという甲虫の幼虫です。

重松 それぞれに味の特徴があるんですか。

井上 虫が食べたものによって味は変わるというのが私の印象です。面白いのが、桜の木につくサクラケムシ。桜の葉を食べているので、糞まで桜の風味。これをお茶として飲むとすごく香りがいい。

奥本 まさに桜茶ですよ。

井上 栗の木を食べたカミキリムシのお肉は栗の味がしますし。ゴキブリは7種類くらい食べたんですけど、家にいるチャバネゴキブリと木についているゴキブリとは、ぜんぜん味が違います。

奥本 木についている虫はナッツの味、というのが多い。

井上 セミもナッツ風味です。

重松 虫は体が小さい分、食べたものがそのまま味に反映されるのでしょうか。

井上 今飼っているゴキブリには、エサとして野菜クズを与えていますけど、たまにカツオ節を。そうしたらカツオ節風味になるかと。

奥本 出汁もとれたりして。