自分の判断より、大多数の好み

「株は美人投票」という相場格言があります。イギリスの経済学者ケインズの言葉ですが、かつて行われたという「美人投票」を株式投資になぞらえたものです。

その美人投票というのは、最も票を集めた者が賞をもらうだけではなく、優勝者に投票した人も賞品がもらえるというものでした。賞品をもらうには、自分が美人と思う人ではなく、多くの人が美人と思う人に投票しなければいけません。もっと言うと仮に美人でなくても優勝しそうな人に投票すべき、ということですね。

これを株式投資に当てはめると、株でもうけるには、大多数の投資家から人気を集めると思われる株に投資しないといけません。「私はあの子が美人だとは思わないけれど、あの子が勝ちそうだから」という投票=株の買い方が利益をあげられると言うわけですね。

私の場合、実際買うときはやっぱり自分の好きなタイプを選びがち。おかげでうちの株たちはさほど日経平均と連動しない。とはいえ、繰り返しますが、うちの地味な株たちもこの勢いに乗ってジワジワ上がっているのです。今こそ、大胆に「やれやれ売り」をする時かもしれません。

とか言うと、本格的に株をやっている友人からは、しこたま怒られます。「株がこの先いつまで上がっていつ下がるのか、それは誰にもわからない。だから、上がっているときはホールドして、下がり始めたら売る。そんな単純なことがどうしてできないのか」と。

どうしてできないのかと言われてもねぇ。

でもまあ、ひとまずいろいろ清算したい。この上昇気流に乗るために3月決算期のタイミングで銘柄の見直しをするとします。具体的には「モノ」「カネ」銘柄のたとえば銀行株などを整理して、「情報」「多様性」銘柄を探そうかなと。