配偶者には税額軽減措置がある

同時に、【遺言書の有無】も確認しましょう。遺産分割に関して明記があれば、それに従います。ただし一定の相続人には遺留分(最低限相続できる権利)があり、仮に遺言書に「全財産を施設に寄付する」と明記してあっても、財産の半分は遺留分として相続できます。

妻は遺留分の2分の1、子はその残りを人数で分割した金額。なお、夫と前妻との間に子どもがいる場合、その子どもにも相続の権利があり、法定相続人の数に入れて計算します。

遺言書がない場合は、全財産を法定相続人で分割。この場合、【「遺産分割協議書」を作成】しなければなりません。財産をどのように分けるかなどを記したもので、銀行口座や土地の名義の書き換えなどの際に必要となります。書式はインターネットなどを参考にして自分で作成することもできますし、行政書士などに頼むことも可能。ただし、相続人全員のサインと実印、印鑑証明書が必要です。

相続税には基礎控除枠があり、3000万円+(600万円×法定相続人)の数までが非課税。相続人が妻と子ども2人なら、4800万円までが非課税になります。さらに、配偶者には税額軽減措置があり、妻の相続分が1億6000万円以下、もしくは法定相続分の2分の1までは非課税(法定相続分は相続人の組み合わせにより異なる)です。仮に夫の財産が10億円あった場合、妻の法定相続分5億円には相続税がかかりません。