「預貯金などの資産」と「民間保険」をまず整理

ほかにも、市区町村が主体となって独自に《食事の宅配》や《見守り》など幅広いサービスを提供する「公的介護保険外サービス」。医療費が高額になっても、自己負担を一定額に抑えられる「高額療養費制度」。おむつ代などの介護費用は、医療費控除を受けることで還付される制度があります。申請時期を逃すと利用できない制度もあるため、あらかじめ調べておき、介護費用の節約につなげましょう。

「公的制度」で受けられる介護サービスを把握したら、次は自己負担分、介護保険が適用されないサービス、要介護度に応じた限度額を超えた分などをまかなう「預貯金などの資産」「民間保険」を確認・整理します。

お金があれば必ずよい介護が受けられるわけではありませんが、お金で多少のことは解決できるのも事実。選択肢を広げるためにも、「預貯金などの資産」と「民間保険」の事前準備と整理は欠かせません。

なにより注意したいのが、認知症で意思能力がないと判断されると、本人はもちろん家族であっても、預貯金を引き出す、保険を解約するといった法律行為ができなくなってしまうこと。先々のことを考えてお金を蓄えておいても、いざという時に使えなければなんの意味もありません。

ファイナンシャルプランナーとして多くの事例を見てきて思うのは、やはり「介護とお金の問題は早めの対策が重要」ということです。家族がいる方、介護を頼みたい相手がいる方は、必ずお金に関する情報を共有するようにしてください。

認知症による資産凍結トラブルを防ぎ、また貴重な資産を有効に使うためにも、以下の1~3のステップの順に準備をすすめましょう。