シニアの再就職事情

定年退職後、再び働き始めたきっかけとして経済的な問題を挙げる人もいます。一方で「長い給与所得人生から解放され、しばらくはのんびりしたいと思っていたが、半年もすれば飽きてしまった」「社会から取り残された思いになった。何らかの社会との接点がほしい」と社会参加を理由にする人もいます。

現役の時には、毎日自由に時間を使えるのは憧れると思っていても、いざそうなってみると、寂しさを感じるものかもしれません。退職後、元同僚たちと最初は楽しく定期的に会っていても、毎回同じ話題の繰り返しで嫌になったり、誰かが病気になったりで、例会も自然消滅するというもの良く聞く話です。

確かに今の60歳以上は、男女ともに健康的で若く見える方も少なくありません。時間をもて余してしまうのは容易に想像がつきます。

では、定年退職あるいは雇用延長を終えた後、再度働くことを選択した人は、どんな仕事についているのでしょうか? 社団に相続などでお問い合わせをいただく際、相談を受けたりする機会が多いので、実例を紹介したいと思います。

定年退職後、再就職をした人が口を揃えていうのが「選ばなければ、仕事はある」。もちろん、キャリアを買われて企業の役員や顧問、大学教授になる人もいますが、残念ながらそんな人はごく一部です。

人生経験を活かしたいと心理学やキャリアコンサルタントの資格などを取って、専門職として活躍する人もいます。ただ士業の資格をせっかく取得しても、顧客を自分で開拓しなければならないため、せっかくとった資格を活かしきれない人も大勢います。