国際秩序再構築の必要
「今後さらに重要な問題は、戦争が終わった後の国際秩序をどうやって再構築していくかだ」=中山氏(同)
「ウクライナは今後、NATO(北大西洋条約機構)加盟国の軍事支援を受けられるような安全保障の枠組みを作ることをイメージしているのではないか。ロシアには受け入れがたいスキームではあるが」=服部倫卓・ロシアNIS経済研究所所長(同)
吉田戦争の終結は、同時に他国への侵略を抑止する国際社会の仕組みをどう立て直していくかという問題とセットで考えなければなりません。プーチン政権がなおも続いていくとしたら、ロシアの覇権的行動をどうやって封じ込めていくのか。それは中国や北朝鮮が暴発する危険を抱える東アジアにとっても他人事ではありません。一つのカギは国連です。今回のウクライナ侵攻に際して国連の安全保障理事会は無力でしたが、国連の改革は待ったなしの課題ではないでしょうか。
飯塚先ほど触れた「国家再建の支援を国際社会が責任をもって約束する」という点、それからウクライナの戦後の安全保障をどうするか。この二点が今後の停戦協議の重要な要素です。西側社会がどう決着できるかは、今後の国際秩序のあり方にも大きな影響を与えると思います。
*中山俊宏氏は5月1日に逝去されました。ご冥福をお祈りします。
飯塚恵子/いいづか・けいこ
読売新聞編集委員
東京都出身。上智大学外国語学部英語学科卒業。1987年読売新聞社入社。 政治部次長、 論説委員、アメリカ総局長、国際部長などを経て現職。
吉田清久/よしだ・きよひさ
読売新聞編集委員
1961年生まれ。石川県出身。早稲田大学政治経済学部政治学科卒業。1987年読売新聞社入社。東北総局、政治部次長、 医療部長などを経て現職。