なんとなく続く「もたれ」や「むかつき」。食事内容や量を軽くすることでしのいでいませんか?胃の健康のための正しい知識を教えます

胃の蠕動運動の機能が低下していく

加齢にともない、「すぐお腹がいっぱいになる」「食べ過ぎたわけでもないのに胃が重い」と感じる人が増えます。それはどうしてなのでしょうか。

「若い胃は弾力性に富んでいて柔軟に伸縮するため、たくさんの食べ物を入れることができます。けれど加齢で胃が硬くなると、十分に広がらず、一度にたくさんの量をためておくことができなくなります。歳をとると、少量の食事でお腹がいっぱいと感じるのはそのためです」と解説するのは、管理栄養士の森由香子さん。

「加えて、年齢とともに胃から小腸へ食べ物を送る蠕動運動の機能が低下したり、消化に必要な酵素の分泌量も減っていきます。すると消化に時間がかかり、食べた物がいつまでも胃の中に残ってしまう。その結果、お腹が空かない、量は食べていないのに胃が重い、といった症状が出てきます」(森さん。以下同)

生野菜や玄米が消化の負担に!?

特に多いのが、「脂っこい肉料理や揚げ物を控え、野菜中心のヘルシーな食事に変えたのに、胃がもたれる」というケース。

「たとえば、玄米や根菜類、生野菜や海藻類は栄養価に優れ、脂質も少なく健康的なイメージがあります。日々の食事に積極的に取り入れている人も多いでしょう。しかし、これらは食物繊維が多く硬いため、消化に時間がかかります。特に胃の機能が低下している世代には、大きな負担になっている可能性があるのです」

そこで重要になるのが、食べ方や調理法。

「どんな食材もしっかり噛むことが大切です。そのうえで、調理にひと手間加えることで、胃への負担を軽減できます。玄米は多めの水でやわらかく炊き、野菜を切る際には繊維に対して直角に包丁を入れる。野菜サラダを食べるなら、生ではなく蒸して温野菜や鍋物に。魚なら煮魚、果物はコンポートにするのがおすすめです。肉類はすりおろした玉ねぎやリンゴに漬けることでやわらかくなります。卵はゆでず、茶わん蒸しや温泉卵にして食べるのがいいでしょう」

胃の不快感は我慢しないで

年齢とともに、食べると胃がもたれやすくなったり、活動量が減ることで食欲が減ったりするのは、ある程度仕方のないこと。だからといって食事量を減らしてしまうと、栄養不足による筋力低下やさらなる体調不良につながりかねません。

「食事は抜かず、1日3食きっちりと、が基本です。その際はいろいろな種類の食品を少しずつ、バランスよく摂取したいものですね。体にいいからと同じものを繰り返し食べたり、反対に糖質や脂質など特定の栄養素を極端に減らすのは体調を崩す原因になります。また、お腹が空かないからと長時間胃を空にしてしまうと、胃酸過多となり、粘膜が荒れてしまうので気をつけましょう」

食生活や胃のケアを見直すことで、いつまでもおいしく食べて、アクティブな毎日を送りたいですね。

教えてくれたのは

森 由香子(もり・ゆかこ)先生

管理栄養士。1962年福島県生まれ。日本抗加齢医学会指導士。東京農業大学農学部栄養学科卒業。大妻女子大学大学院修士課程修了。医療機関をはじめ幅広い分野で活動中。『60歳から食事を変えなさい』ほか著書多数

健康メモ

いくら食事に気をつけていても、加齢によって低下した胃の筋力をトレーニングで鍛えたり、胃の蠕動運動を自力で促したりすることはできません。かといって、胃の不調がおさまるまでゆっくり寝ているわけにもいかないのが現実です。

そんなとき、胃腸の機能を高める薬の力を借りるのも、一つの方法。最近では、年齢などで不調を感じる方向けの胃腸薬も登場しています。不快感がある時は我慢せず、日々の生活に上手に取り入れてみましょう。豊かで楽しい食生活をサポートしてくれます。

ずっとおいしく食べるために
胃を軽やかに動かすお薬を

パンシロン アクティブ 55

食物の消化を助ける消化酵素(ビオヂアスターゼ2000、プロザイム6、リパーゼAP12)、停滞した胃の働きを活発化させる健胃生薬(チンピ末、コウボク末、ケイヒ末)、胃酸をおさえ胃を守る成分、胃粘膜を修復する成分の4つの働きで、加齢などにより低下した胃の働きを助ける。パンシロン アクティブ55 顆粒14包 ¥990

※1日3回、食後または食間・就寝前に水またはお湯で服用してください。お求めは、お近くの薬局・薬店などで

 

●お問い合わせ/ロート製薬 お客さま安心サポートデスク
☎06・6758・1230(9:00〜18:00 土・日・祝日を除く)

婦人公論オリジナル図書カード
1000円分を50名様に
抽選でプレゼント
締切日:2023年1月20日(金)