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日本中で「民族大移動」が起きる時期 賃貸物件を借りる時のルール
帯に短し、たすきに長し
住むことは人生そのものだ

帯に短し、たすきに長し

現地で実際に見ると、やはり、図面の印象とは大違いでした。5、6とも、図面で見た限りでは、「南向きで、日当たりさんさん。(物件資料写真で見る限り)眺望も良さそう。建物は古いけれど、何年か前にリフォームしているからきれいっぽい」と期待しましたが、果たして。5はエレベーターなしの5階建ての5階で、部屋まで行くのが想像以上に大変でした。スーパーの大荷物や、パソコンや重い書類を抱えての上りや、出張の大きなトランクの上げ下ろしを考えただけで、げんなりします。歳を取ってからも住み続ける、老後までを見据えた住まいとしては非現実的でしょう。

6もエレベーターなしの3階でしたが、こちらは内装がくたびれていて今一つ。これ以上のリフォーム予定はないとのことでしたので、やはり見送りました。

たくさん物件はあるのに、「帯に短し、たすきに長し」です。何かが良ければ、別の何かが足りません。すべてがパーフェクトな理想の家なんて、ないとは分かっています。でも、地獄の沙汰も金次第。予算を上げれば、良い物件に出合える確率は上がるでしょう。お金に余裕さえあれば、ね。

写真提供◎photoAC

上記の1~6だけを見ても思うのは、家賃が安めで条件が良い物件はすぐに決まってしまうこと、そして、安いには安いなりの理由がある、ということです。例えば、古かったり駅から遠かったりすると安くなりますし、階段だけでエレベーターがない建物も安くなります。

北向きなら安くなりますし、部屋が南向きでも、目の前に別の建物があって、眺望も日照も得られなければ、安い理由になります。ベランダからの眺望が良くても目の前がお墓ならば、またしかりです。逆に、古くても、駅から遠くても、階段でも構いません、となれば、かなり広い部屋が「お得」に借りられるでしょう。

やすーい、ふるーい、遠ーい、それでも良いと思えるかどうか、なのです。私の場合、いまやリモートワークが基本で、どこかの編集部に毎日出勤する必要がないのですから、駅からバス便でも遠くても問題は無いはずです。出掛けるには不便だけれど、周辺環境や日照、間取りなどが快適な、広いけれど遠い物件にするか、それよりも、やっぱり駅近で、狭くても良いから、そこそこ新しくて、でも、そこそこ高い部屋を選ぶか。後者だとしても、少なくとも、いま住んでいる23区内の物件よりは、安くなるはずです。要は、覚悟というか、決めの問題なのです。