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自分の子じゃなくても、三親等以内ならいい
75歳以上になって本当に住まいに困ったら
判断理由は非開示、ブラックボックスの中 コロナは不動産業界を変えた

75歳以上になって本当に住まいに困ったら

代理契約の話を聞くと、「子を産んでいない・独身の女性」に、日本は冷たいなあ、と思います(購入時の親子ローンも同じですよね)。たまたまラッキーなことに、私の妹には子どもがいます。私から見て3親等です。彼らが代理契約に同意してくれれば、80歳を超えても、私は賃貸の契約ができるでしょう。でも女友達の中には、一人っ子で独身の個人事業主もいます。彼女には、代理契約をしてくれる親族はいません。そういう場合はどうしたらいいんでしょう。

「もし、子どももいなくて、3親等以内の親族もいないなら、一般の賃貸住宅は厳しいですね」と、おじさん。やっぱり……。「でも、URがあります。それに、いずれ国も何かしら考えるんじゃないですか」。それより、もっと現実的な助言を教えてくれました。

「賃貸は、住みさえすれば、住み続けられますから、75歳までにどこかに入っちゃえば良いんですよ。居住権がありますから」。確かに日本の民法は賃借人に有利で、大家が店子を理由もなく追い出すことはできません。ということは、「人生最後の民間賃貸への引っ越し」は75歳の前に考えればいいのかもしれません。

さらに、「75歳以上になって本当に住まいに困ったら、地方移住という手があります」と、付け足しました。「いま、世間的には空き家が問題になってるじゃないですか。どうしても都会っていうこだわりがないなら、地方に家はたくさんありますよ」

写真提供◎photoAC

確かに、空き家問題は全国的な課題です。空き家は年々増え、いま全国に846万戸もあります(国土交通省調べ)。相続トラブルなどで塩漬けの空き家は、地価が高い場所なら開発業者が買い取りますが、交通の便が悪いエリアでは朽ちるばかりです。そんな放置空き家は、東京都内にもあります。

全国の宅地が、再開発が進む価格高騰エリアと、空き家ばかりが増えていく価格低迷エリアとに、二極化していくようです。そこで空き家活用です。地方自治体の空き家バンクは、安い賃料で即入居可の家を紹介しています。補助金付きの若者誘致ではなく純粋な空き家の借り手募集でしたら、私が調べた限り、年齢制限はなさそうです。