まだまだ知らないことってあるんだ
自分が司会している番組について言うのもなんですけど、この番組は、とにかくスタッフがすごいです。日本全国津々浦々の、お互いに知ることのなかった違いを取材する訳なんですけど、15年以上やっていたら、もう新しいことなんてないんじゃないかと思われるかもしれません。ところが、これが毎週、毎週、ちゃんとすごいネタがあるんです。僕らが子どもの頃からしたら、日本のボーダーレス化は相当進んでいますよね。うちでも子どもが「何でやねん!」とか流暢な関西弁でツッコんだりしますから。それでもこの番組を見ると、まだまだ知らないことってたくさんあるんだって驚かされます。
最近の記憶に残っていることと言えば「茨城県」の話。子どもの頃、「いばらぎけん」って読み方だと思っていた方、多いですよね。僕もそうです。でも大人になって、僕はアナウンサーではないですけど、原稿を読むこともあるので「正しい読み方は『いばらき』なんだよ」って教わりました。それを知ってからは、間違っている人がいると「『いばらぎ』じゃなくて『いばらき』!」って言ってきました。
ところが、この番組が茨城県に取材に行くと、県民本人たちは発音が「いばらきけん」だって当然知っていて、こちらが「いばらぎ」って言うと間違いだって指摘してくるんですね。ところが自分達がいざ発音するとなると、みんな「いばらぎけん」って言うんですよ。「わだしの住んどる町は、いばらぎけん」みたいに、茨城弁は多くを濁音で発音するからだそうです。そっちが言うから直してきたのに、今までのくだりは何だったんだ!って愕然としましたよね。
この番組は、取材も深いですが、細かいふざけた演出もやってるんです。実はBGMに至るまでふざけてます。今日の収録でも「筋子」が登場した時、ずっと(ルパン三世の)「フジコのテーマ」がかかっていましたから。台本にも書いてないし、出演者もほとんど触れないですが、僕は気づいて密かにニヤけたりしてますね。これを読んだ皆さんも、ちょっと気にして番組を見ていただければ新たな発見があるかもしれません。