平均的な年収のAさんの融資額は?
ちなみに、住宅ローンの変遷には時代の流れを感じます。若い方はご存じないでしょうが、住宅金融公庫(現住宅金融支援機構)が単身者にもローンを認めるようになった1990年代半ばまで、単身者は住宅ローンが借りられませんでした。しかも当初は親やきょうだいでもいいので、同居予定家族がいなければ単身者はローンが申し込めませんでした。その後、単身者向け住宅ローンは拡充しましたが、やはり女性の単身者はなかなか貸してもらえませんでした。すごい女性差別を感じます。事実、私も何度か、住宅ローンの申し込みをして断られたことがあります(当時は会社員だったのに!)。その頃から2010年代まで、最も熱心に女性に住宅ローンを貸してくれたのが、かのS銀行でした(数年前に投資不動産詐欺事件の舞台となり、残念ながら、いまや不動産融資には消極的らしいとの噂もあります)。
さて。では、(1)の年収を元にした融資額から考えてみましょう。計算には、こちらのツールを使います。
例えば、東京の平均的な年収を得ている会社員のAさんを想定します。どのくらい融資してもらえるでしょう。年齢は私と同じ57歳、返済期間は80歳までの22年間しかないと想定。最も安い変動金利で借り、元利均等払いで返済することとします。銀行の店頭金利は2.475%などですが、実際には、ここから様々な優遇がされて引き下げられ、会社員の場合はいま金利が0.525%だそうです。この返済期間、この金利で、Aさんの年収を、東京の平均年収の約475万円として、返済負担率は上限の35%で計算してみます。結果は、以下のようになります。
・借入可能額 3453万円
この借入額だと、月々の返済額はいくらでしょう。以下のツールで計算します。
https://loan.mamoris.jp/repayment.asp
・毎月の返済額 138,522円(約13万8500円)