年収292万円Bさんの場合の融資額は?
都内で独り暮らしをしている会社員の場合、このくらいの返済額ならば家賃と同程度か、定年後に家賃補助がなくなったら家賃よりもむしろ安い、という人も多いのではないでしょうか。ただし、融資のほかに、物件価格の1割+諸経費1割=計約770万円は自己資金で用意しておかなければいけません。でも、それが用意できれば、約3830万円の物件まで購入できることになります。もちろん、あと500万円自己資金が増やせれば、4330万円の物件まで買えます。もっと貯蓄があって、もっと自己資金が積めるならば、さらに物件価格は引き上げられます。
ちなみに、上記のシミュレーションの中に「返済負担率」という数字が出てきました。これは年収に占めるローン返済額の比率(返済年額÷年収×100)です。年収によって上限が定められており、年収が高いほど返済負担率は高く設定できます。年収が400万円以上であれば、返済負担率は35%以下まで認められます。でも年収が300万~400万円未満なら30%以下、300万円未満だと25%以下に抑えなくてはいけません(下図参照、住宅保証機構株式会社のホームページから転載)。
では、(2)の返済可能額から、Aさんのケースをもう一度、考えてみましょう。例えば、Aさんがいま家賃で10万円を払っており、それと同額を月々返済するとしたら、どうでしょう。同じく金利は0.525%、22年返済とすると、Aさんの融資可能額は2492万円となります。年収に占める年間の返済額(返済負担率)は25.26%です。上述の通り、年収からすると返済比率は35%以下まで大丈夫ですから、まだまだ月の返済額には余裕があるということです。ですが、月の返済額を15万円で試算すると、融資額が3739万円となり、返済負担率が37.89%と上限を超えてしまいます。
次に、年収が違ったらどうでしょう。女性の全国平均の年収292万円を稼いでいるBさんの場合で、融資額を試算してみましょう。この年収だと返済比率は25%以下となるので、Aさん同様に会社員と想定して金利を0.525%としても、融資可能額はぐっと減ります。年収から導き出した借り入れ可能額、そして月々の返済額は、以下の通りでした。
・借入可能額 1516万円
・毎月の返済額 60,816円(約6万800円)