(2)認知機能を保てている

認知機能の低下は、生活の自立度に大きく影響します。スーパーセンチナリアンは100歳時点で自立した日常生活を送れており、認知症を発症している人はいませんでした。

 

(3)フレイルになるのが遅い

フレイル(加齢により筋肉や骨量が減少し、心身の活力が低下した状態)が進行すると、介護が必要な状況になります。100歳以上で亡くなった高齢者を対象に100~104歳時点のフレイル状況を調査した結果、110歳以上で亡くなった人がもっとも自立していたことがわかりました。

このことから、フレイルの発症を遅らせることが健康寿命を延ばすカギといえるでしょう。沖縄県の百寿者研究でも、同様の結果が報告されています。

 

これらの3つの特徴は、体内で起こる「慢性炎症」を抑制できていることと関係しています。慢性炎症が起きる原因の代表的なものは、「肥満」「動脈硬化」「腸内細菌叢の乱れ」「免疫老化」「細胞老化」の5つ。なかでも気をつけたいのが「肥満」です。

肥満の人の脂肪細胞からは炎症性物質のサイトカインが多量に分泌され、これに免疫細胞が過剰に反応することで炎症が慢性化。血糖値が下がりにくくなり、血管を傷つけるため、動脈硬化や心筋梗塞、糖尿病のリスクを高めます。

肥満や糖尿病とも関係している「動脈硬化」も、血管の壁にコレステロールがたまることで、その部分に免疫細胞が反応して慢性炎症が起こっている状態。「腸内細菌叢の乱れ」は、腸内の善玉菌と悪玉菌のバランスが崩れることで免疫機能が低下し、炎症を招くとされています。

また、リンパ球などの免疫細胞は加齢とともに老化し、機能が低下。このように「免疫老化」が進んだ体では、あちこちで弱い炎症が起こるようになります。そして、近年の研究で注目されているのが「細胞老化」です。

老化した細胞はサイトカインなどの炎症性物質を分泌することで、周りの細胞まで老化させてしまうことがわかってきました。