人生を好転させる“幸せそう” “不幸そう”など、なぜか顔に表れてしまう人の内面。それは「脳が顔を作るから」と、観相学の大導師として活躍する岡井浄幸さんは言います。顔のパーツがもつ意味と、ちょっとの工夫でよい運気を呼び込む方法を聞きました(構成=山田真理 イラスト=きくちりえ(Softdesign))

眉の形を変えたら人生が好転していった

顔のパーツから、その人の性格や運命などを観る“観相学”。その歴史は古く、約1600年前の禅宗の祖、達磨大師までさかのぼります。達磨大師が多くの人の顔を分析して編み出した観相術に、私の師である故・藤木相元先生が脳科学や深層心理学といった科学的根拠で裏づけし、確立したものが嘉祥流観相学です。

首に大きな数珠をかけ、テレビ番組に出演していた藤木先生のことを覚えている方も多いのではないでしょうか。私と観相学との出会いは、仕事のご縁で知り合った先生から「眉の形を変えたほうがいい」と言われ、アイブロウペンシルで“情感が豊かで人から好かれる”緩やかなカーブの「三日月眉」に描き直してもらったことがきっかけです。

その頃の私の眉は、我の強さが出てしまいがちな“戦いの眉”といわれる「剣眉」。それから自分で三日月眉を描き続けた結果、肩の力が抜け、その頃抱えていた悩みから奇跡的に解放され、人生が好転していったのです。

なぜ、そうしたことが起きるのか。それは、「顔は脳をうつす鏡」だから。嬉しいことがあれば顔が紅潮し、怖いことがあれば青ざめる。このように一瞬一瞬、脳の思考は形や表情となって顔に表れるのです。

さらに、経験の積み重ねによっても顔は変化します。顔のパーツは親から受け継いだ遺伝子である程度決まっていても、生い立ちや人生で経験したことが脳に蓄積していくことで、その人の「顔つき」や「雰囲気」は変わっていく。ご自身や周囲の人の顔に、そう感じた経験はないでしょうか?

脳はパソコンのメモリーのようなもので、新しい情報が日々上書きされていく。つまり良い経験や感情を脳に記憶させることで顔を変えていくことができるのです。