「噛むこと」は子どもの発育にも好影響
近年、歯ごたえのある食物を噛めない、上手に飲み込めないといった子どもが増加しています。
口腔機能発達不全※の一つである口唇閉鎖不全(お口ポカン)はむし歯や歯周病、鼻閉、アレルギー、歯並びの悪化など様々なトラブルの要因となると言われているため、対策として口を閉じる筋肉や舌を動かす筋肉を鍛えることが推奨されます。
ガムを噛むことでもたらされるメリットを見ていきましょう。
※「食べる機能」「話す機能」「呼吸する機能」など、口周りに関する基本的な機能が十分に発達していないか、正常に機能獲得できていない状態のこと
・口腔発達
「お口ポカン」は、お口周りの筋力が弱いことなどが原因で起こり、口の健康だけではなく、生活まで悪影響を及ぼします。
子どもたちのお口周りの筋力低下の原因としては、やわらかい食べ物が増え食事で噛む回数が減っていることなどが挙げられます。このお口ポカンの状態を改善するためには、口を閉じる習慣を身につけたり、口を閉じたり舌を動かす筋肉のトレーニングが重要です。
・テストの点数
中学生を対象にした研究では、14週間継続的にガムを噛みながら勉強することで、ガムを噛まないで勉強した子どもたちより、数学テストの点数の増加が大きかったことが報告されています。脳が活発に働くことで注意力や集中力が向上することもわかっています。
・足の速さ
中学生の女子生徒で、継続的にガムトレーニングした子どもたちの方が、ガムトレーニングをしなかった子どもたちより、スタートから10mの足の速さが約0.1秒速くなったことが報告されています。
歯科医師・歯学博士である葛西一貴先生は、子どもたちが楽しんで継続できるお口ポカン対策として、フーセンガムをよく噛み、ふくらませる「フーセンガムトレーニング」をおすすめしています。
「フーセンガムトレーニングを続けたグループの方が子どもたちの唇の動きが良くなり、子どもの口腔機能発達に良い影響を与えることが分かりました。また、お口ポカンの改善や、硬いものを噛めるようになったり、滑舌がよくなったというアンケート結果も出ています。」(葛西一貴先生)