時事問題から身のまわりのこと、『婦人公論』本誌記事への感想など、愛読者からのお手紙を紹介する「読者のひろば」。たくさんの記事が掲載される婦人公論のなかでも、人気の高いコーナーの一つです。今回ご紹介するのは愛知県の70代の方からのお便り。少しでも貯蓄を増やしたいと、株式投資を始めてみたところ、買った途端に下がり始めて――。
株価も心も乱高下
ゼロ金利のご時世、貯金しても利子がつかないのであれば、ほかの手を考えるしかない。そこで数年前、株式投資を始めた。経済音痴のド素人ではあるが、とりあえず名が知られている企業の株を買うことに。
ところがうまい話はそうなく、買った途端に下がり始めるではないか。せっかく買ったのに! と悲しくなりつつ、どうしていいかわからないので、とりあえず様子を見ていた。
すると、今年に入ってから、平均株価が4万円に届くようになった。所有する株も急上昇。興奮し、いったいどこまで上がるのかと期待に胸を膨らませる。
しかし油断は禁物、明日になったらドーンと下がるかもしれない。では今のうちに売るべき?しかしもったいないのではないか?なにしろ上昇した原因がまったくわからないので、気持ちだけがアップダウンする。
そんな日を3日も過ごし、とうとう4日目に売却を決断した。
「頭と尻尾はくれてやれ」とはこういうことなのだろうか。20万円ほどの利益を得られ、大満足だ。なにより、平穏な日常を取り戻せたことが一番の収穫であった。
今回つくづく感じたのは、不勉強は心臓によくないということ。適当に買った株が意味もわからず上下するのではギャンブルと同じだ。私はもとより、人間の欲には限りがないので、いつかわれを忘れるようなハマり方をするのでは、と反省した。
経済の行く末は私にはわからないし、年齢を考えれば時間もないが、また挑戦するとしたら、しっかり勉強して臨もうと思っている。