(『あんぱん』/(c)NHK)

今田美桜さん主演・連続テレビ小説『あんぱん』(NHK総合/毎週月曜~土曜8時ほか)。第4週「なにをして生きるのか」の第20回が4月25日に放送されました。嵩(北村匠海さん)が試験に落ちたことをきっかけに、母親の登美子(松嶋菜々子さん)が再び柳井医院を出て行きました。登美子は、嵩が幼い頃に夫の清を亡くすと子どもたちを柳井医院に置いて再婚。8年音沙汰もなかったのに離婚するとまた柳井医院に戻ってきていました。奔放な振る舞いで、嵩たちを振り回す美しい母として視聴者から注目されています。登美子を演じる松嶋菜々子さんがコメントを発表しました。

――今回、北村さん演じる嵩の母親役ですが、松嶋さんは登美子という人物を、どう捉えて演じていますか?

北村さんの母親役は2度目なのですが、今回はまた違った性格の母親なので、ご一緒できるのが楽しみでした。北村さんはすごく落ち着いていて、どっしり構えている方で。本当にこんな息子がいたらいいのになぁと思っています。

登美子は、発想が少し独特なのかなと思います。子どもへの愛情がありながらも、自分の人生に迷いがあったり、葛藤を抱えていたり……。演じる上では、そうした心の揺れを理解することが大切だと感じています。

実際、嵩のモデルであるやなせさんの母親も、息子たちを残して姿を消したと聞きました。そうした複雑な背景を持ちながら“アンパンマン”という作品を生み出したやなせさんにとって、母親は影響力のある存在であり、発想の源だったのだろうなと。

登美子の突然現れては周囲を振り回し、またいなくなってしまうという設定だけをとるとどこか冷たく感じるかもしれません。けれど、嵩に対しては母親の愛情をきちんと伝えられるよう、丁寧に演じていきたいと思っています。