のぶの心に届くように
――第2週では、出て行った登美子の元へ、嵩が会いに行くシーンがありました。
どういう塩梅で演じようか迷った部分ではありました。スタッフの方たちとは、夫である清(二宮和也)さんを早くに亡くしたことで、ぽっかりと空いた穴を埋められず、それを埋めるための愛情を求めているのではないか、だから自分のことで精一杯なんじゃないかとお話しして。
とはいえ、時代的にも、より子どもが幸せになるのであれば、置いていくことも子どもたちにとっては最良の選択であり、そこになじんでほしかったからずっと連絡を取らなかったんじゃないかとか。いろいろ想像しながら臨みましたね。
――第3週で、8年ぶりに町に帰ってきた登美子ですが、のぶ(今田美桜)に思いをぶつけられるシーンもありました。
どういう反応をしていいのか分からなかったですね。のぶちゃんに責められたことよりも、嵩が言った「のぶちゃんは、母親に捨てられたことないだろ」という言葉のほうが心に響きました。捨てたつもりはなかったので……。
でも、のぶちゃんに言葉を返さなかった登美子を通して思うのは、自分の行動を全部説明できなくてもいいのかなと。気持ちの整理って全部が全部ついていなくてもいいんじゃないかなと思いましたね。