

年齢を重ねて疲れやすくなったり、気分が沈んだりするのは仕方ないこととあきらめていませんか?最新の加齢研究により、ある植物由来の成分が活力の向上を促すと注目を集めています
バラ科の植物に
秘められたパワー
超高齢社会となった今、健康寿命をいかに延ばすかが課題となり、世界中でその研究が進められています。
そもそも老化とは、成熟期以降に起こる生理機能の衰退を指し、ストレスなどに対する適応力が低下した状態のこと。それを進める要因は12個あり、互いに影響し合っていることがわかっています。(下図)

近年、その中の一つである細胞老化(以下、老化細胞)を除去する成分が、「キンミズヒキ」という植物にあることをファンケル総合研究所が発見。ヒト試験で効果が確認されたとして注目を集めています。研究員の
「もともとは脳機能を維持する成分を探して、約4000種類の素材を調べていたところ、『キンミズヒキ』に行き当たったのです。キンミズヒキはバラ科の植物で、日本を含む東アジアなどに生育する多年草。茎の上部に伸びた花軸に黄色い小さな花をたくさんつける様子が金色の水引のように見えることから、その名がついたようです。江戸時代の書物には食糧となる植物として紹介されています。また、おひたしや天ぷらにして食べられていたという記述も。この植物に、さまざまな効果があることがわかってきたのです」(渡邉さん。以下同)
加齢に伴う変化において、大きな力を発揮することが新発見だったそう。
「本来、正常な細胞は分裂を繰り返し、役目を終えると体内から消失、新しい細胞が生まれます。しかし、老化細胞は分裂が停止するだけでなく、消失せずに体内に蓄積してしまう。そして『老化促進物質』を分泌し、まわりの正常な細胞まで老化細胞に変えてしまい、代謝のバランスを崩し、酸化によるダメージを加速させるのです。その老化細胞を、キンミズヒキに含まれる『アグリモール類』という成分が除去することが研究により世界で初めて※わかりました」
※ ヒト臨床試験においてキンミズヒキ由来アグリモール類に老化細胞除去作用があることが世界で初めて論文報告された。(PubMed 及び 医中誌 Web の掲載情報に基づく)

年齢だけでなく
生活習慣で差がつく
老化細胞を除去できる成分はこれまでも見つかっていますが、なかなか実用化に至らなかったと言います。その理由は、ヒトの老化を特定し見極める
「被験者にキンミズヒキのエキスを凝縮した粉末を摂取してもらい、血液に含まれる老化細胞の割合の変化を確認しました。すると、摂取後の検査で、老化細胞の割合が減少することが示されたのです(下記グラフ)。グラフは8週間までのものですが、別の試験では12週間の摂取や有効性が確認された5倍の量を4週間摂取しても安全であることを確認しています」

被験者の多くは、活気・活力の向上や一時的な疲労感の軽減が見られ、前向きな気持ちになったと回答。さらに、ファンケルでは日本人の年代ごとの老化細胞量の測定にも成功しました。
「老化細胞は赤ちゃんの頃から体内に存在しています。今回の調査では、年齢とともに老化細胞が増える傾向にあり、また同年代においても個人差があることが確認できました。このことからも、ストレスや生活習慣が老化細胞の増加に大きく関与していると、ファンケルでは考えています。とはいえ、ライフスタイルを変えるのは至難の業。ですから、キンミズヒキの成分がみなさんの生活をサポートできたら嬉しいですね」
加齢研究は進化を続け、少しずつその謎が解明されてきています。これからの人生を楽しく過ごすには、元気であってこそ。老化細胞を減らすキンミズヒキに、大きな期待が寄せられています。

渡邉知倫(わたなべ・ともみち)さん
/ファンケル基盤技術研究センター次長兼、機能探索第一グループ課長
アルツハイマー病の新薬創出研究に13年従事した後、ファンケルに入社。脳、骨、目、筋肉、腸内環境など幅広い領域での研究に携わる
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