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愛くるしい表情で人気者の「ラッコ」。水の上でプカプカと浮かびながら、お腹の上で貝を割る仕草が印象的で、どこの水族館にもいるイメージがあるかもしれません。しかし、いま日本でラッコが見られる施設は三重県の「鳥羽水族館」だけ。そのため、「いつか日本でラッコが見れなくなる日がやってくるのでは」と危惧されています。

日本のラッコが減少した理由とは?

1990年代のピーク時には国内28施設で、122頭が飼育されていたラッコ。ところが2023年には3頭にまで激減し、さらに2025年1月には、国内で唯一のオスであった福岡県の「マリンワールド海の中道」の「リロ」が亡くなってしまいました。それにより、現在日本で見られるラッコは鳥羽水族館で飼育されている「キラ」と「メイ」の2頭のみに。

国内にオスがいないなら海外から輸入すればよいのでは、と考える人もいるでしょう。しかし、ラッコは乱獲などにより数が減少したことで絶滅危惧種に指定されており、ワシントン条約によって日本への輸入が原則禁止されています。

また水族館で生まれ育ったラッコは繁殖が難しいことも、日本のラッコ消滅の要因となっています。