部下にボイコットされたアラフォーの雑誌編集者が柴犬専門雑誌を作るー。NHKドラマ10『シバのおきて~われら犬バカ編集部~」(総合、毎週火曜午後10時~)。原作は片野ゆかさんのノンフィクション『平成犬バカ編集部』だ。犬を通して編集部員の心がつながっていく様子を描くヒューマンドラマ。主役の相楽俊一を演じる大東駿介さんに作品への思いやペットとの思い出を聞いた。(取材・文・婦人公論jp編集部 油原聡子、撮影:本社奥西義和)
ぶっきらぼうな相楽
<相楽はパチンコ雑誌の編集長。雑誌の売れ行きは好調だったが、コミュニケーションが苦手で部下に嫌われた末にボイコットされてしまう。編集長の座を取り上げられ、新雑誌を作るよう社長に命じられた相楽が飼い犬の柴犬・福助と過ごすうちに思いついたのが、柴犬の専門誌『シバONE』だった>
実際にある柴犬雑誌の創刊をもとにした平成が舞台のお話です。このドラマのいちばんの魅力は、柴犬のかわいさ。犬が主役なので、いかに犬が快適にストレスなく撮影現場に入れるかは、自分の責任でもあると思って撮影に挑みました。
<相楽は、福助を溺愛する場面があるものの、酒に酔って帰ってきて絡むなどいまいち福助の気持ちがわかっていない人物だ>
相楽は、ぶっきらぼうでパワハラとも受け止められる言動をする人物。とにかく人とのコミュニケーションが苦手です。仕事に人一倍情熱があるからこそ、周りを置いてきぼりにしてしまう。個性や自分らしさは重要だけど、同時に人と生きていく中で、自分を成長させていくこともすごく大切。
今は、物事が極端に解釈される時代。「あの人にこう言われる」とか気にしてしまうし、自分らしさを発信することは難しくて生きづらい。他者と共存することが苦手な相楽が、犬を介して他者とつながることを知っていく物語です。犬と生きるなかで自分らしく社会と生きていく方法が見つかっていく。現代にも通じるテーマです。