繊細でせつない、稲垣さんに似合う時代
「『依頼内容は恋に落とすこと』、こんな素敵な任務を果たす探偵役は初めてです」
「新しい地図」の稲垣吾郎さんが主演を務めることが発表されたミュージカル・コメディ『恋のすべて』。
舞台は、1930年代のアメリカのとある都市。稲垣さんが演じる探偵のニックテイラーのもとに奇妙な依頼人が現れ、「娘を恋に落としてくれ」と持ち掛ける。過去に亡くした大切な探偵仲間、シドの未亡人に送金しているためいつもお金がないニックは、破格の依頼料に仕事を引き受け――。
作・演出を務めるのは、「恋と音楽」シリーズなど多くの作品で稲垣さんとタッグを組んできた鈴木聡さん。主演の稲垣さんへの思いをこう語ります。
「1920年代から1930年代のアメリカ文化に惹かれます。狂騒のジャズエイジから、ほっと一息ついたラジオデイズへ。華やかでスタイリッシュ、それでいて、繊細でせつない。だからでしょうか、この時代、稲垣吾郎さんに似合う感じがするのです。
以前、この時代を舞台にした吾郎さんの芝居を僕は書いています。『魔法の万年筆』。この時はフィッツジェラルドに憧れる若き小説家を演じてもらいました。あれから15年。『恋のすべて』では、大人の渋さを身につけた吾郎さんに、世間の裏表を知る中年探偵を演じて貰おうと思います」(鈴木さん)