2022年12月号
見どころ動画配信中!

[特集]
〈65歳以上の6人に1人の現実〉
認知症と明るく暮らすコツ

高齢期に入ると誰もが認知機能の衰えを感じるもの。家族が、自分が、身近な人が認知症になっても、むやみに怖がらず、冷静に対応したいものです。そのためにも、予防や早期発見、治療の最新知識を備えることが大切。認知症専門医のアドバイス、病と向き合う当事者や家族のリアルな声から、私たちが今できることを考えましょう

●注目記事●

〈病を公表した30歳差夫婦の挑戦〉
「最後まで喜劇役者で」。彼の願いを叶えるために
芦屋小雁×勇家寛子

名脇役としてテレビや舞台で活躍してきた芦屋小雁さん。2018年、血管性認知症とアルツハイマー型認知症の合併型を患っていることを公表した。現在は、30歳下の妻・勇家寛子さんのサポートを受けながら仕事を続けている。記憶が曖昧になっても、舞台への思いは強い

寛子 昨夜、小雁さんが出演したドラマ『ミヤコが京都にやって来た!』を一緒に見ましたね。

小雁 覚えてへん。

寛子 「これ、わしか? わし、こんなんやったっけ?」って言いながら見てましたやん。

小雁 あはははは。

寛子 小雁さんが主演の佐々木蔵之介さんに駆け寄るシーンがあるんですけど、瞬発力があってすばらしかった。蔵之介さんもびっくりされて、「ええアクションですねえ!」って言うてくれはったんですよ。 (一部抜粋)

他にも、岩佐まりさん、長谷川嘉哉さんの対談「本人も家族も笑顔でいるには、「無理しない」が大切です」、専門医による「軽度認知障害「MCI」は、早期発見で回復の可能性が」「〈銀行の代理人カードから成年後見人まで〉元気なうちに準備しておきたいお金のこと」「介護する人もされる人もハッピーになれる話し方、接し方」など。
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[第二特集]
読者ノンフィクション傑作選

駆け抜けた、その先に

前号に続きお届けする、本誌恒例「読者ノンフィクション」企画。後篇でご紹介する3篇も、生きる力に溢れた手記が揃いました。予期せぬ苦難に見舞われ、迷いもがきながらも長い人生の一つのゴールに向けて突き進む筆者たち。悔いなく精いっぱい生きているからこそ、たどり着ける境地があるのかもしれません
3編は「88歳の伯父が残した年下の彼女へのラブレター」、「脳出血に倒れた夫と22年経って辿り着いた平穏な暮らし」、「血の繫がりは関係ない。愛おしい3人の子どもを育てあげ」。読み解きは山本一力さんです。
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[読みもの]

〈夫の急死からの再スタート〉
「音読」が、閉じた心と体を癒やしてくれた
寺田理恵子

バラエティ番組全盛期の1980年代、元祖アイドルアナとして人気を博した寺田理恵子さんはいま、音読や朗読教室の講師として活躍する。「音読の魅力を広く伝えたい」のは数々のつらい経験から立ち直る力の源になったからだ

以前、『婦人公論』に出させていただいたのは夫の急死後、仕事に復帰して間もない2015年のことでしたね。それまでの14年間を専業主婦として過ごしてきたので、これからどんなふうに仕事をしていけばいいか、まだ不安と迷いがあった時期だったと思います。

いまは音読と朗読の講師が仕事の主軸となりました。ほかにも、高齢者が集まるサロンの運営の手伝いや認知症への理解を深めるための活動、朗読ボランティアなどもしていて、忙しくも楽しい毎日を過ごしています。

仕事に復帰するまでのおよそ5年は、思い返しても怒濤の日日でした。日常的な電話から母が徐々に認知症を発症していることに気づくなか、父が糖尿病や心臓病を患うようになって。その父は09年、検査入院した病院で脳出血を起こし、急死しました。それは母が施設に入所する日の出来事。父は献身的に母の面倒をみていたので、「きっと自分の役割は終わったと思ったのだろう」と私は自身を納得させるしかありませんでした。

その3年後、今度は夫が自宅で倒れ、53歳で帰らぬ人になりました。その日は朝から調子が悪そうで、「仕事を休んで病院に行ったら?」と言ったところ、「いや大丈夫。ちょっとシャワーを浴びてくるね」と。まもなく「あーっ」という叫び声がして、慌てて浴室に行くとドアに内側からもたれかかるようにして夫が倒れていました。 (一部抜粋)

 

[連載]

〈酒井順子の「大人は知りたいことばかり」〉
落語家の胸の裡
ゲスト◎立川談春

17歳で立川談志さんに弟子入りし、古典落語の名手といわれる立川談春さん。変化の激しいこのご時世に何を思い、落語の灯を繫いでいるのでしょうか。大の落語好きで、長年の知人でもある酒井順子さんと深く語り合いました

酒井 落語にはさまざまなタイプがありますが、私は「夢金(ゆめきん)」や「文七元結(ぶんしちもっとい)」など、少し暗めの噺から談春ワールドにひき込まれました。

談春 酒井さんが落語を好きになったきっかけはなんだったの?

酒井 父が寝る前にラジオで落語を聞いていて、その時はなにが面白いんだろうと思っていました。でも、30歳を過ぎて自分も人生の山だの谷だのを経験すると、落語の中の人たちが急に身近に思えてきて。おばあさんになっても最後まで観に行くのは落語と文楽だろうな、と。

談春 落語と文楽? なぜ? (一部抜粋)

 

[グラビア]

〈アートな人 杖を相棒に66年〉
ようこそ、美しきステッキの世界へ
山田澄代

みなさんは「杖」にどんな印象を持っていますか? 人生の大半を杖とともに歩み、日本初のステッキ専門店の創業者でもある女性がいます。山田澄代さん、83歳。彼女が巡り合った貴重なコレクションを見せてもらうためご自宅を訪ねると、そこには煌びやかな世界が広がって――

「ようこそ、いらっしゃいました」。扉を開けたその人が、魔法の杖を振ったのだろうか。目の前には、めくるめく別世界が広がっていた。精悍な獣が彫られた象牙、優美な花模様を描いた陶器、きらめくカットグラス、渋く輝く銀――多種多様なデザインと素材のステッキが、部屋じゅうを飾っている。

「ヨーロッパでは、アンティークのステッキをインテリアとして楽しむことも多いんです。といっても、私みたいに所狭しと並べる人は少ないでしょうけど(笑)」

と悪戯っぽく笑う山田澄代さん。日本有数のアンティーク・ステッキのコレクターとして知られ、1997年には日本で初めてステッキ専門店を開いた。その製造、輸入、販売を手掛ける会社の経営者としても活躍を続けている。 (一部抜粋)


他にも、

〈カラーグラビア〉
熱さなら誰にも負けない
神山智洋(ジャニーズWEST)

〈楽しく挑戦!!〉
脳を刺激するドリル10
監修 篠原菊紀

〈名優たちの転機〉
聞き手・文◎関容子
ミッキー・カーチス

〈宝塚 すみれ色の未来へ 雪組〉
グランド・ミュージカル
『蒼穹の昴』
彩風咲奈・朝月希和

〈漫画アンソロジー〉
「女どうし」アネイモ
内田春菊③

〈新連載〉
オパールの火
桐野夏生 
 

などなど、盛りだくさん。ぜひご一読ください!!

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