お茶のお稽古が、執着を手放すきっかけとなったようです(写真提供:photoAC)
世界的にも情勢が安定せず、厳しい環境に置かれている人や不安な心でいる人が多い中、あらためて日本文化の良さの学び直しを提唱するのは、茶道家の竹田理絵さん。茶室を開設して10ヵ国以上の国々で点前を披露し、日本の伝統文化を伝えてきた竹田さんいわく、「置かれた環境に左右されることなく、心穏やかに日々を過ごす」考え方が、茶道を通じて得ることができるとのこと。些細なことが気になり、ストレスをためないようにする心構えとは――。

執着しない

皆さんも毎日の生活の中で、ひとつの小さな失敗や行き違いが気にかかり、なかなか頭の中から離れないことはありませんか。

悲しくなったり落ち込んだりして、ネガティブな感情に執着してしまうこともあるのではないでしょうか。

人間ですから、そういったこともあって当然です。執着とは、ひとつのことに心をとらわれて、そこから離れられない状態のことです。

執着を捨てることができれば、そのようなストレスから解放されるのはわかっていても、なかなか簡単にはいきません。けれども、それをずっと引きずることは良くありません。