俳優の芦田愛菜さんが、第5回野間出版文化賞を受賞し、贈呈式にて登壇。同賞は「書籍・雑誌などの従来の出版の枠にとらわれず、出版にまつわるすぐれた表現活動を行った個人・団体などを顕彰すること」を目的としています。第5回となる今回は、芦田愛菜さん、黒柳徹子さん、藤井聡太さんが受賞しました(特別賞にTBSプロデューサーの福澤克雄さん)。芦田さんは小さいころから大好きだった本への想いと、俳優として演じることとのつながりについて語りました。スピーチの全文を掲載し、芦田さんの“読書愛”を『婦人公論』の過去の記事からご紹介します。(撮影◎本社 奥西義和)
芦田愛菜さんの受賞スピーチ【全文掲載】
「芦田愛菜です。このたびは本当に素晴らしい賞をいただくことができて大変光栄に思っております。ありがとうございます。
私にとって本というのは物心ついた頃からいつも隣にあって、私の世界を広げてくれる存在です。本を開けば自分の人生とは違う人生だったり世界だったりが広がっていて、それを感じられるのが本当にすごく楽しくて、いつも時間を忘れて読みふけってしまいます。
役者として、自分が大好きな物語の世界を、読書を通して楽しむだけじゃなくて、自分の体でそれを体験して、そしてその言葉を誰かに伝えることができるっていうのは、本当に幸せなことなんだなぁといつも思っています。
登場人物たちのさまざまな経験というのは、自分の中にまるで自分の経験のように積み重なって私の土台となって、私自身を深めてくれている。そんな気がしているので、これからもたくさん本を読んで、自分の感性を磨いて、お芝居の中で放つ言葉にも深みを与えられるような、そんな人でいられるように日々努めてまいります。
このたびは本当にありがとうございました」