日本初公開の「切り紙絵」作品など、珠玉のコレクションが国立新美術館に
20世紀の現代美術に多大な影響をもたらした画家として知られるフランスの巨匠、アンリ・マティス(1869–1954)。彼の集大成といえる「切り紙絵」に焦点を当てた展覧会が、2月14日(水)から国立新美術館にて開催されます。「切り紙絵」とは、さまざまな色が塗られた紙をハサミで切り取る技法のことで、マティスの後半生を代表する芸術表現です。マティスの数々の作品のなかで、「切り紙絵」をピックアップした展覧会は、日本で初めての試みとなります。
本展には、フランスのニース市マティス美術館の全面協力のもと、150点以上の作品とオブジェが来日。なかでも、日本初公開となるマティス晩年の代表作、《花と果実》は必見です。ふだんはニース市マティス美術館のメインホールに鎮座しているこの作品は、マティスの切り紙絵の中でも最大級で、その大きさは4m×8m。5枚のカンヴァスが繋がって構成されています。本展への出品のために、大規模な修復も行われました。
色彩の魔術師による作品の数々
マティスは芸術家人生を通して、色彩とデッサンの関係を模索してきました。大胆な色彩表現が特徴の「フォーヴィスム(野獣派)」を誕生させた30代前半頃の作品から、ニースを拠点に制作していた40代後半以降の光に満ちた作品に至るまで、光の表現を探求するスタイルに取り組んだマティスの歩みは、「色彩の道」と表現されます。
マティスは衣装デザインや壁画、テキスタイルの領域にも制作の幅を広げていました。《パペーテ ― タヒチ》や《森の中のニンフ(木々の緑)》はタペストリーの下絵として制作されたもので、画家としての記念碑的な大型の絵画作品として知られています。
また、これらの作品のいくつかには、準備習作のために切り紙絵の技法が用いられました。本展のメインビジュアルでもある《ブルー・ヌード Ⅳ》の青い面は、無数の細かな切り紙絵によって構成されています。
そのほかデッサンや版画でも名を馳せたマティスでしたが、晩年に大病を患ってからは、新たな表現方法として切り紙絵に精力的に取り組むようになりました。切り紙絵という技法が、色紙をハサミで切り取ることで色彩表現とデッサンを同時に行うことができることから、色彩とデッサンの関係を刷新したといえます。マティスは、筆とカンヴァスを紙とハサミに替えて、芸術家人生の集大成ともいうべき境地に達しました。
79歳から82歳にかけての4年間、マティスはヴァンスにあるドミニコ会の修道女のためのロザリオ礼拝堂の建設に携わり、室内装飾や典礼用の調度品、祭服などのデザインに専心しました。本展では、この礼拝堂にまつわる作品や資料も紹介します。展示室内に再現された、ヴァンスのロザリオ礼拝堂を体感できる空間は必見です。
【応募締め切り日】2024年3月14日(木)
※当選者の発表は賞品の発送をもって代えさせていただきます(3月中頃予定)
「マティス 自由なフォルム」
会期:2024年2月14日(水)~5月27日(月)
会場:国立新美術館 企画展示室2E(東京・六本木)
休館日:毎週火曜日 *ただし、4月30日(火)は開館
開館時間:10時~18時 ※毎週金・土曜日は20時まで ※入場は閉館の30分前まで
観覧料:一般2200円、大学生1400円、高校生1000円、中学生以下無料
主催:国立新美術館、ニース市マティス美術館、読売新聞社、日本テレビ放送網
特別協賛:キヤノン
協賛:DNP大日本印刷
協力:日本航空、日本貨物航空、ヤマト運輸
後援:在日フランス大使館/アンスティチュ・フランセ、J-WAVE
お問合せ:050-5541-8600(ハローダイヤル)
公式サイト:https://matisse2024.jp
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