令和の“クイズ100人に聞きました”

ここからは『格付けチェック』について、ビギナーの私が感じたことをつらつらと並べていく。「わかるう〜!」と共感していただけたなら、おばさん、これ幸い。

今さらながら番組についてざっくり説明すると、年イチのスペシャル番組にプロモーション絡みの多くの芸能人が20名近く出演。チームごとに一名が選出されて、目の前に出されたアイテム(例:ワイン、寿司、オーケストラ、プロダンス)の、どれが本物なのかを見極めて、2択もしくは3択から選んで勝ち残る。ルールはいたって簡単な、約4時間の長尺バラエティーだ。「セレブな芸能人なら、値段が高いほうは目をつぶっていてもわかるでしょう〜〜?」という、回答者にとっては足元を見られるような雰囲気が面白い。

まず気づいたのは、“視聴者も回答者の擬似体験ができる”。試飲や試食があるものは別として、音楽やダンスなどは視聴者にも、架空の回答権が付与される。ここで皆は真剣に考えて「俺はAだな」と、正月に揃った家族の前で自分の答えを披露。うっかり正解すれば、鬼の首を取ったように「やっぱりな! そう思ったんだよ」と自慢。時には回答が視聴者だけに先に開示されるものもあって、そうなると自慢はさらに加速。

今年を例に挙げると、一緒に番組を見てもらった女友達は

「林遣都、ダメだな〜。大島優子も呆れているんじゃない?」

と、回答者の家庭にまで突っ込む盛り上がりを見せていた。ちなみに我が父は番組録画を見ながら、飲んでもないワインを「ありゃ、まずいと思ったよ」とコメントしていたこともある。

(はて、この雰囲気どこかで……?)

と、思い浮かんだのは『クイズ100人に聞きました』(TBS系・1987年)だった。昭和生まれの平成育ちであれば、知っているはずだ。毎週月曜19時になると、家族揃って夢中になっていたクイズ番組。一般人100人に聞いたアンケート結果を、2チームに分かれた著名人回答者によって予想する。

回答が出るまでに観覧席から叫ばれる、「あるある!」「ないない!」コール。放送当時、小学生だった私もテレビの前で必死にコールしていた。そして間違えたチームに「何やってんのよ〜」と突っ込む。この構図、『格付けチェック』になんだか似ているじゃないか。