草笛 それにしても、あんな大きな犬を2匹も散歩させられるのも、普段から相当ハードなトレーニングをしているからよ。

志穂美 それはもうちゃんと鍛えてますよ。お花のため、やりたいことのため。でもその前に、私には家のなかに手強い《猛獣》がいるので(笑)。鍛えてないと、やっていけない。

草笛 『ばぁちゃんロード』の最後で、文音ちゃんがお嫁さん姿になるじゃない。試写会にいらしたあなたのダンナさん、終わったあと泣いてたわよ。

志穂美 え、そうですか。(笑)

草笛 ああ、やっぱり父親なんだなあと思ったわ。文音ちゃんが女優を目指したいと言ったとき、彼は反対しなかったの?

志穂美 いまは応援してますけど、最初、賛成はしませんでしたね。もともと、主人の事務所の子が演劇のワークショップに行くとき、土地鑑がないというので文音が付き添ったんです。

そうしたら「せっかくきたんだから君もやってみたら?」と誘われて、そこで演じる面白さを知ったみたい。「長渕剛の娘」という目で見られる重荷から解放されて、別人になる喜びを感じられたと言ってましたね。すごくラクになったって。

草笛 そうだったの。

志穂美 草笛さん、主人のコンサートにも来てくださいましたね。

草笛 少し前に長渕さんと雑誌で対談もしましたよ。最後にインタビュアーの方が「草笛さんのことを、どんな女性だと思いますか?」と聞いたの。そうしたら一言、「少女」って。あの方、私のことを育っていないと思っているのね。

志穂美 でも、あの人は本音しか言わないから(笑)。彼も一緒なんですよ。永遠の12歳。少年のまま。

草笛 じゃあ少年と少女でおしゃべりしたってだけじゃない!(笑)