高い評価を裏付ける品質へのこだわり
八女地域の玉露は、古くから山間地域を中心に栽培されてきたため、他産地に比べると生産量が少なく、全国的な知名度が高まらない状態が続きました。産地として存在感を示すためにも、他産地を圧倒するような高品質の玉露を生産しなければならないという背景があったのです。
1970年代半ば以降、ほかの玉露産地では機械化を推し進め、効率的な生産体制をとるようになりますが、八女はそうした動きとは一線を画し、品質へのこだわりと伝統的な技法を守り続けることで差別化を図ってきました。
全国の生産者がお茶の出来ばえを競う「全国茶品評会」で毎年、農林水産大臣賞を受賞するようになったのは、こうした取り組みによるものです。
玉露部門における最高峰・農林水産大臣賞を初受賞するのは1967年。特に平成に入ってからは、毎年のように同賞や、入賞した玉露が一番多い産地に贈られる産地賞を受賞しており、名実ともに八女に伝統本玉露ありとの高い評価を得ています。