暗黒時代がまざまざと蘇り…

実際にアラサー女性の悩みと対峙してみて思ったのは、人にアドバイスをするのは想像していた以上に難しいということでした。その反面、他人のことだから言えるというか、自分自身が同じことで悩んでいたとしたらここまで客観的に分析することはできないだろうなと感じることがあるのも事実。だからといって、トリッキー担当と思しき私の価値観だけで回答してしまってよいものかどうかと案じていたところ、食卓に並ぶ「海鮮の瓶詰め」が更に私に勇気を授けてくれたのです。

壇蜜さんの新著『三十路女は分が悪い』(中央公論新社)

ラジオで存在を知り、三陸からお取り寄せしてみた「海鮮の瓶詰め」なるものがありまして。上からイクラ、タコ、サーモン、めかぶだったような。これら4種を解凍して食すのですが、その時、私が着目したのはめかぶでした。私は思わず「めかぶ、お前もか」とつぶやいていたのです。四人の回答者の中で私はめかぶ的存在。一人だけタンパク質じゃないぞ、みたいな。でも、めかぶもいい味出しているじゃないかと。君がいないと味気ないぞと思うわけで、以降、私もそうありたいと考えながらお悩み相談に向き合ってきました。

いつも私自身の過去の記憶や経験を総動員して回答することになるのですが、20代半ばから30代にかけての暗黒時代がまざまざと蘇り、一人勝手に苦しくなることもあります。何をやっても上手くいかなくて、だから将来が不安でたまらなかったあの頃。迷いながら、悩みながら、何とか力を振り絞って行動を起こすも待ち受けているのは八方塞がりの更なる闇。「ああ、この道も行き止まりだったか」「ああ、またもや迷路にハマってしまった」と嘆きつつ、喘ぎつつ、私は生きていたのです。
 
ところで、「壇蜜の経験した暗黒時代ってどんなだったの?」という声が聞こえてきそうです。そこでこの場を借りまして、私自身の過去を遡り、仕事や恋愛における価値観の変容(つまり成長ですね)及び、我が暗黒時代の全貌を時系列にお伝えしてきたいと思います。