写真を拡大 「生命の躍動」水槽を眺める兄妹 (C)2015〜2024 George Nobechi
世界に約400ある有料水族館のうち、150近くが日本にあるという。フォトグラファー・野辺地ジョージ氏が撮影する数々の被写体・シリーズの中で、最も古いのが水族館であり、少年時代の思い出をたどる「旅」だ。日本人にとっての水族館とは何なのか…写真と文で繙いていく

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80年代、当時の水族館ブームの立役者

2023年のGW明けに豊島区池袋のサンシャイン水族館を30数年振りに訪れた。

まだ小学生だった頃、オープン直後の1980年代には家族とよく訪問した水族館だが、都心のビルの屋上にあり、ウーパールーパーなどの人気動物もいて、当時の水族館ブームの立役者のひとつであったことは今も記憶にある。

現在も週末や祭日は入場制限があるので、事前予約が必要だ。しかし快晴に恵まれたこの平日は、まるで青空を飛んでいる様に見える人気の水槽「天空のペンギン」の前も、パラパラと海外の観光客と若い家族がいる程度であった。水槽越しに見える高層ビルの背景を利用して、ペンギンがファインダーに入ってくるタイミングを待つのは楽しい。

 

写真を拡大 神秘的なクラゲの舞 (C)2015〜2024 George Nobechi