町家保存から町家破壊へ

アレックス・カーが京町家を一棟貸しの宿に改修する取り組みを始めた2000年代初頭は、まだその価値が見出されておらず、町家は次々と取り壊されていました。

そのような事態を、ただ手をこまぬいて眺めるだけでなく、新しい仕組みを作って運用することで、町家と家並みを救いたいと考え、一つ一つ法律や規制をクリアしていきました。

『観光亡国論』(著:アレックス・カー、清野由美 中公新書ラクレ)

やがて町家の宿泊施設転用は一つのムーブメントになり、京都ではその後、数百軒以上の町家が宿泊施設として再生されました。

しかしこの数年で流れは逆行し、今は町家を残すより、小さなビジネスホテルを建設することの方が活発化し始めました。これまでは空き家になった町家跡にコインパーキングが乱造されていましたが、今ではそれが立体化してホテルが建設されるようになったのです。

つまり足元の観光ブームが、町家保存から町家破壊へと、さらなる転換を促しているのです。