「当たり前」だった電気を
意識するように
竹内今田さんは「エネルギーから、明日をおもう。」がキャッチコピーの電気事業連合会のCMに出演していらっしゃいます。明治と現代の女性を演じていますね。
今田明治の女性役では、大好きな着物を着ることができて嬉しかったです。少し前の時代まではロウソクで暮らしていたと思うと、今は電気が普通に使えていることが、すごく不思議に感じました。
竹内日本では明治15(1882)年に、東京・銀座の街路灯で電灯が灯りました。まさに文明開化の象徴の一つだったんです。
今田当時、珍しい電灯を見に、大勢の人がやってきたそうですね。CMでも、私が街の電灯を見物するシーンがあるんですよ。
竹内エジソンが白熱電球を発明したのが1879年で、その3年後には日本に渡ってきた。白熱電灯からやがて蛍光灯になり、現在はLED照明が主流に。今もライトアップイベントなどに多くの人が集まるから、時代が変わっても灯りの魅力というものは変わらないのかもしれないですね。
今田私は昨年末に、表参道ヒルズのクリスマスイルミネーションの点灯式に参加させていただきました。色とりどりの光には、人をワクワクさせる力を感じます。
竹内出演されたCMは、電気のことをわかりやすく伝えていました。出演後、電気について考え方や意識に何か変化はありましたか。
今田一番の変化としては、日常で当たり前のように使っていた電気に意識が向くようになったこと。スマホを充電するときや、ドライヤーで髪をセットするときも、「あ、今、電気を使っているんだ」と。
竹内その電気をつくるには、いろいろな方法があります。自然の力を利用した太陽光発電や風力発電、石炭やLNG(液化天然ガス)などを用いた火力発電、それから原子力発電など。エネルギー資源の8割以上を海外からの輸入に頼っている日本では、コストも抑えながらベストな組み合わせとなることを目指しているんですよ。当たり前のように電気を供給するのは、じつはけっこう大変なことなんです。
今田発電に大切なのは組み合わせとバランス。そういったこともこのお仕事を通して学びました。
竹内たとえば妻と娘が住むカナダでは、水力発電で6割以上の電力をまかない、隣のアメリカに輸出できるほど発電量に余力がありますが、日本はそうはいきません。
今田私たちの快適な生活を支えてくれる電気。国によって事情はさまざまですし、日本の置かれている状況を知って、よりいっそう電気を大切に使おうと思います。