会社員の淳さん(38歳)は3年前、有給休暇と育休を組み合わせ、半年休んだ。会社は育休制度を推進しており、取得率は7%前後。職場で取得に面と向かって反対されることはなかった。

「パート主婦の妻は性格的に、ひとりでの育児で参ってしまうかもしれないという心配もあって。実際に取ってみると、濃密で貴重な時間を過ごせました」

さらに子育て中の職場の同僚や上司の大変さに理解が深まったという。

公務員の和明さん(29歳)は、会社員の妻(29歳)と日ごろはすれ違いが多く、積極的に子育てに関わりたいと8月に娘が生まれてから半年間の育休に入った。企画部の職場は理解があり、「お互い様だから」と仕事の負担にも嫌な顔はされなかった。

それでも違う部署の同僚からは、「100件も案件を抱えているので僕は取れない」、40代以上の先輩からは「俺たちのころにはなかった。休みを取れていいなあ」とやっかみの声も。それでも、「家族でこの半年を楽しみたい」と、和明さんは希望に満ちている。

 

企業や自衛隊も前向きに

日本労働組合連合会の2014年度の調査によれば、育休を希望する男性が断念した理由は「代替要員がいない」「(収入が減り)経済的に負担となる」「上司の理解不足」など、多岐にわたる。また実際に育休を取得した期間は「5日未満」が約7割。都市圏に比べ、地方のほうが取得率は低い。

もちろん頑張る地方企業も。菓子製造・販売業のあわしま堂(愛媛県)では、2013年にいち早く育休取得を義務化した。上司が社員に取得を促すほか、1ヵ月以上育休を取得した社員には保育料補助手当を支給するなど多様な取り組みをしてきたことが認められ、厚労省の「イクメン企業アワード2017」を受賞している。

「育休取得者の総数は、実は中小企業のほうが多いのです。規模がどうであれ、企業のトップが推進する考えを持っていれば、取得者は必ず増えます」(安藤さん)