あいづちを打ってもらうことで「考える意欲が湧く」

さて、実は、あいづちの効果は発話の促進だけではないのです。発話の促進に加えて、あいづちには、発想を促進する効果があるのです。私たちの一連の「あいづち実験シリーズ」では、このことが明らかになりました。

実験では、「日本社会の高齢化がさらに進むと、どんなことが起こるか」「日本のごみ問題を解決するには、どうすればよいか」といった発想課題に対して、実験参加者にアイデアを出してもらいました。

その際、実験者が、「うんうん」といったあいづちを頻繁に打つと、打たなかった場合に比べて、発想量つまりアイデア産出量が大幅に増えたのです*2。

また、別の実験で実験参加者に主観評価を求めると、聞き手にあいづちを打ってもらうことにより、話し手は、「自分の考えに関心を持ってくれている」「自分の考えに同意してくれている」「自分の考えをほめてくれている」と感じ、考える意欲が湧くことがわかりました。

『メタ認知-あなたの頭はもっとよくなる』(著:三宮真智子/中央公論新社)