肯定的とは言えないあいづちを打たれてしまうと…

なお、どんなあいづちでも頻繁に打てばよいのかというと、そうではありません。あいづちの種類についての配慮も必要です。

あいづちの種類について調べてみると、「うんうん」「そうそう」「それいい」といった肯定的なあいづちは、予想課題において発想を促進してくれるのですが、「うーん」「ふーん」「はーん」などの肯定的とは言い難いあいづちには、そのような効果はありませんでした。

こうした肯定的とは言えないあいづちを打たれると、「私の話に関心がないのだ」「私の考えに賛成ではないのだ」と考えてしまい、考える意欲も高まらず、発想促進効果も望めないようです*4。

このように、聞き手に協力を求めて、効果的なあいづちを意識的に打ってもらうことによって、発想を豊かにすることができます。ただあいづちを打つだけという、これほど手軽な発想支援法を使わない手はないでしょう。

効果的なあいづちを意識的に打ってもらうことによって、発想を豊かにすることができます(写真提供:写真AC)

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*1. Matarazzo, J. D., Wiens, A. N., Saslow, G., Allen, B. V., & Weitman, M.(1964) Interviewer mm-hmm and interviewee speech durations. Psychotherarpy, 1, 3, 109-114.

*2. Sannomiya, M., Kawaguchi, A., Yamakawa,I., & Morita, Y. (2003) Effect of backchannel utterances on facilitating idea-generation in Japanese think-aloud tasks. Psychological Reports, 93, 41-46.

*3. 三宮真智子 (2004)「コプレズンス状況における発想支援方略としてのあいづちの効果 思考課題との関連性」人間環境学研究、2, 1,23-30.

*4.三宮真智子・山口洋介(2019)「発想に及ぼすあいづちの種類の効果」心理学研究、90,3,301-307.

※本稿は、『メタ認知』(中公新書ラクレ)の一部を再編集したものです。

メタ認知-あなたの頭はもっとよくなる』(著:三宮真智子/中公新書ラクレ)

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