モンスター拘束者になってやろうと

意気消沈した男だけで拘束用の小屋にいた。

俺たちのチームには同行していたディレクターとベテランの通訳Iさんがいた。彼らと話しても愚痴しか出ないし、別に大人しく待っていてやる必要もないだろうと、開き直った俺はすぐにウガンダ警察と交渉して「アレが欲しい。コレが欲しい」と要求を突きつけてみた。モンスター拘束者になってやろうと思ったのだ。

(写真:丸山ゴンザレス)

彼らはすぐに話に乗ってきた。無茶な要求をしたのではない。むしろ彼らに賄賂を渡すタイミングだ。

俺が買い物をする際に彼らにも何かしら買ってやることで便宜を図る。撮影はダメでも取材にはなりうる。

警察から小屋に移動する時の会話で、あちらから「島には飲み屋がある」とかあれこれアピールしてきたので、俺はその辺りを察していたのだ。

俺は島内の施設を巡りながらひっそりと取材をする。俺に張り付いた若い警官も大胆に要求してくるようになり、飲み物が欲しいとかあれこれ言われる。

夕飯時になって小屋の前で料理をする女性たちの姿が見られた。そんな様子を見ていて、ふと「タバコが欲しい」と思った。