誰もが「家事」の主体者に
思うに、家事とは自分自身や家族が快適で健康な生活を送るために必要不可欠なことで、本来は誰かひとりに押し付けるものではありません。理想は、誰もが家事の主体者になる社会です。もちろん、それぞれの家庭に事情がありますし、生活スタイルも様々ですから、だれかひとりに家事を任せる形でも、その家族が納得しているなら他人がどうこういうことではない。家族全員が忙しいなら、掃除や料理をプロに外注するのもひとつの手段だと思います。
母が倒れた後は、私も週に1度、水周りの掃除をハウスキーパーさんにお願いしています。他人が家に入ると思うと、あまりにも散らかしたままではいられないし、もし家の中で私が突然死していても、1週間以内には見つけてもらえると思うので。(笑)
ただ、どんなときでも「自分も家事の主体者である」と意識しておくことが大切なのだと思います。妻が病気で倒れたときに「俺の飯は?」とたずねるのではなく、「なにか食べたいものはある?」とか「デリバリーを頼もうか」と、夫も自分が家事の主体者であると自覚する。そんな意識を誰もが持っていれば、家族の誰かひとりだけが不満を抱えながら生きていくことも少なくなると思います。