ミステリ以外の小説も
七、八年前からミステリ以外の小説も書いてます。
どんでん返しや悲劇的なラストで読者を驚かせることを物語の軸にしてしまうと、今回みたいな当たり前だけど見えなくなっていることを書くのが難しい。言い換えれば、ミステリーの形では表現するのが難しいテーマに、今、私が興味を持っているのかもしれません。
もちろん、これからもミステリーは書いていきたいので、びっくりさせる小説と、そうでないもののバランスを上手くとりながら、執筆を続けていきたいと思っています。
『山の上の家事学校 』(著:近藤史恵/中央公論新社)
離婚して一年。荒んだ生活を送っていた幸彦は、ある「学校」を紹介される。そこには様々な事情を抱える生徒たちが通っていた――。